飛翔

日々の随想です

懐かしくも温かな気持ちになるクリスマス


クリスマスが近づいてきた。
 父は恵まれない家庭に育ったからだろうか、クリスマスに異常に憧れを持っていた。巨大なクリスマスツリーを買ってきて毎年オーナメントも買い足していった。自分で一ヶ月も前から飾りつけ、豆電球を点灯させ喜んでいた。家族の者たちはそんな父を笑っていたが、私は父の心の中を覗いてみたいと思っていた。
 家族団らんを知らない父にとって「ただいま〜」と帰宅すると玄関に豆電球が点滅するクリスマスツリーがあること自体が「あこがれてあこがれた温かい家庭」の象徴を見る思いだったのだろう。
 宗教的行事であるクリスマスだけれど、我が家は子供のころからクリスマスを大切に祝った。
 懐かしくも温かな気持ちになる日。