飛翔

日々の随想です

詩が生まれる日


寒い中にも明るい日差しが春が近いことを思わせてくれる土曜日。
 本を読む楽しさが蘇って嬉しくてたまらない。読みたい本を次々と読んでいくこの楽しさはどうだろう!
 茶室の水屋に広縁がある。ひさしを通して日が長く茶室の奥まで入ってくるこの日。
 うららかで、のどか。つくばいの横には紅梅が枝を伸ばしている。ここから眺める庭の風情は私の心まであたためてくれる。
 家中の布団が陽を浴びてふっくらとふくらんでいる様は家族の安穏をおもわせて幸せな気分になる。
 こんなにのどかな日があっただろうか。後ろから誰かが迫ってくるように、何かにおわれるように心がせいた年月。
 家族のみんなが出払った家で、のどかに一人の主婦が本のページを繰っている。

 メジロのつがいが侘助椿の花の蜜を吸っている。
 こんな日は詩がひとつ生まれそうである。