飛翔

日々の随想です

古本の付録?



 財布を忘れた時の為に車のシートの下に紙幣を隠しておいてある。
 しかし、隠したことを忘れていることが多く、車検の時、車屋さんに指摘されて気がつく有様だ。
 そういえば、へそくりの隠し場所も良く忘れる。同じ場所に隠せば良いのに、あちこちかえるのでどこだったか忘れる。
 かつてはドイツ語の辞書の中に隠しておいた。
 ドイツ語の辞書は箱におさまっているのでその中に隠すのだけれど、頻繁に出し入れするので、箱がぼろぼろになった。
 ドイツ語なんぞは大學卒業以来勉強したことがないのに、ドイツ語の辞書の箱だけぼろぼろと云うのはおかしなものだ。

 古本を買うとたまに写真が入っていたり、領収書が挟まっていたり、恋文らしきものが入っていることがある。
 残念ながら(?)お金が入っていたことはない。そのかわり、本の奥付あたりにおかしな数字が羅列してあるのを見たことがある。Rの後に数字。Lの後に数字。まさかスパイの乱数表?
 この謎がわからないまま数年経ったある日、金庫のダイヤル番号を忘れないようにと壁にかけた電話連絡表のはじに書くことにした。右に3左に9右に8左に7と書いて「あっ!」と思い出した。
 あの本の奥付に書かれてあった怪しい数字は金庫の番号だったのかも!と気がついたのだった。
 Rはライト。つまり右。Lはレフト。つまり左というわけだったのである。
 古本を買うと時々思わぬものを発見することがあって面白い。