先日書評を書いた『神保町「二階世界」巡り』の著者、坂崎重盛氏の解説がついた吉田健一著『酒肴酒』(光文社文庫)が出版された。 ありがたいことだ。なぜならかつて吉田健一の『酒肴酒』『続酒肴酒』(光文社文庫)は二十年前にでたっきりで在庫切れで入手不可能だったからだ。
四百ページ以上の厚さでこれらが一巻になって出されたのであるから読み応えがあろうというもの。
いつの間にか吉田健一の本が集まった。『英国に就いて』(ちくま文庫)『私の食物誌』(中公文庫)『英語と英国と英国人』(講談社文藝文庫)そして今回の新刊『酒肴酒(光文社文庫)』 独特の文体からかもし出される本物のエスプリに酔う。