飛翔

日々の随想です

1月30日から七十二候の「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」


1月30日から七十二候の「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」になります。
春の到来を感じた鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃という意味です。
本来、鶏の産卵期は春から夏にかけて。冬は産卵をしなかったのです。

鶏は鳴いて夜明けを告げるため、中国では吉兆をもたらす動物です。
日本には弥生時代に伝来し、霊的な力を持つ鳥として神聖視されていました。
天岩戸の神話では、天岩戸に隠れてしまった天照大神をなんとか外に出そうと様々なことが試されますが、
その中のひとつが「常世の長鳴き鳥(=鶏)を鳴かせてみる」ということでした。

そんな神聖視され、主に愛玩用とされていた鶏も江戸時代になると、採卵目的で飼われるようになりました。
無精卵が孵化しないことがわかり、仏教で禁じられていた殺生にあたらないと解釈されたことがきっかけで、卵料理もいろいろ作られるようになりました.
鶏が、冬の終わりと春の到来を告げてくれているかのようですね。