名古屋郊外にある、とあるカフェ。ここが私の隠れ家。
パリやウイーンのカフェでは客が思い思いの格好でくつろぎながら時が過ぎゆくのを楽しんでいる。
新聞を読むもの、原稿を書く者、本を読むもの。道行く人を眺めながら会話を楽しむなど、カフェ文化のようなものが根付いている。
せかせかと時に追われず、歴史の匂いを染み込ませたカフェの椅子に身を沈めるひと時。いく時代もの時を共有するような錯覚に陥る。
コンクリートの打ちっぱなしの簡素な室内。椅子やテーブルも驚くほど質素なのがかえってひなびた趣があって良い。
JBL project k2 S9800SEとGoldmundのシステムがデジタル伝送で原音を余すところなく「再生」する。
昭和の初期のガラスがはめ込まれてこれまた別世界がかもしだされる。
チェット・ベイカー、パット・メセニー、が流れてきた。
おいしくドリップされた珈琲を飲みながらしばし音の世界に埋没。
リスニングホールの壁際には本棚が。
マスターは文学にも造詣が深く、本棚にはジャズの本のほかに、向井敏の本がずらり。開高健、「風の恭三郎」こと、百目鬼恭三郎 の「風の書評」あり。村上春樹、カフカ、柴田元幸と、集められた本の趣味のよさはちょっとしたライブラリー。