学校を卒業して臨床現場にでたばかりの私だけれど、この仕事に就いて本当に良かったと感謝する日々だ。
今日も臨床現場へ出向いてエレベーターの扉が開いたとたんに目の前に車椅子に座って私が来るのを待ちわびていた相談者がいて驚かされた。
先回は庭に咲いていた花をブーケにして持っていったのだけれど、それが嬉しかったようで、花瓶にさしただけではもったいないから、形にして残したいと俳句にしてくださった。
その心が嬉しい。そして、職員に手伝ってもらってこんな作品にして贈ってくださった。
物品をもらうことはしないことを旨としているけれど、これはありがたく、嬉しくいただくことにした。
相談が終了して出されたお茶は「桜湯」だった。
相談者が自ら桜の花を摘んで塩漬けにしたもの「桜湯」だった。
桜の花が椀の中でお湯にとけて美しく咲いた。
年輪をかさねた人の雅(みやびや)かで麗しい心の花である。
臨床現場にでてみて、
基本である自己一致がどれだけ大切であるかを身をもって知った。そしてパーソナルスペースの重要性も。
そして何よりも、この仕事に就かなければわからなかったであろう人間というものの素晴らしさだ。
毎回、回を重ねるたびにひれ伏したいぐらいに学ぶことが多く、ノートとケースカードに記すことが多い。
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椀の中みやび映して桜咲く