飛翔

日々の随想です

春よ来い、は〜やく来い


 仕事仲間と精度を高める会話も楽しい。趣味の仲間との語らいはさらに楽しい。夫の友人を招いての食事会からは、いろいろな世界観を聞くことができて視界がぱっと広まる。
 しかし、なんといっても楽しい語らいは昨年のサンフランシスコ・セイブルック大学研修で同宿した女性との1週間が一番楽しいものであった。
 現地へ行って初めて割り振られた相手である。同じ部屋で寝起きをするには、生活のリズムや、気持ちが似ていないと息が詰まるものだ。それが、偶然にも、屈託のない人が同宿となってあっというまに気心が知れる友となった。
 波乱万丈の人生を、問わず語りに聞くのは、驚きの数々であった。
 「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものだ。まさに小説を超える人生。もっと聞いていつか自叙伝か小説にする了承をとり、上梓することを約束した。

 4月にはサンフランシスコ研修で意気投合した4人と東京で再会し、旧交を温めることとなった。
 4人が4人とも数奇な人生を送ってきたことが不思議である。
 そうとは知らずに出かけたスラム街。バスを降りた途端にシンナーか麻薬のような匂いが鼻につく場所に4人は降り立った。
 周りは黒人が多く、ぼろを引きずるようにうろつく人たち。とんでもないところへやってきたようだった。
 地図を見ていては観光客と思われて襲われそうなので、4人がぴったりとくっついて、また降りたバス停へ向かい、元きた方へとバスで引き返した。
 ゴールデンブリッジの下をクルージングしたり、タクシーの運転手に文句を言ったり、レストランでサプライズバースデーを祝い、ショッピングを楽しみ、テーブルに乗り切れないほど大きなロブスターと蟹を4人で食べ、サンフランシスコの街を歩き回り、食べ周り、真夜中まで授業であった事のデイスカッションし、しゃべりあった研修期間。

 主婦であることも、日常の瑣末なことも忘れ、非日常を堪能したアメリカ研修の旅は忘れがたい。
 同宿した女性の自叙伝を書くか、短編小説にすることを約束したので、取材を重ねて納得いく面白いものを書きたい。
 4月の再会を今から楽しみにしている。春よ早く来い!