飛翔

日々の随想です

蟹パンとウイット


父は容貌が外人のようだった為、理髪店に入ると店員が「あ!外人だ、どうしよう」と言われたりして困惑することが多かった。
そこで時々いたずらっけをだして終始英語で通したりする変な父だった。

そうかと思うと、会社の帰りに時々おいしいクロワッサンを買って帰るときなど、パン屋で「蟹パンくれ!」と言う。
パン屋の店員は聞き返しもせずに見事にクロワッサンを包んでくれるのだからたいしたものだ。
確かにクロワッサンは蟹のような恰好をしている。

変と言えば先の床屋へ行くときは必ず「おい!髪床(かみどこ)へいってくる」とのたまう。
今時どこの世界に「髪床(かみどこ)」などという人がいるだろうか?
また自分の子供をまじめな顔をしてからかう変な親父でもあった。


ラーメンに入っているメンマをつまみあげて子供に講釈をたれる。
曰く:
メンマ(シナチク)は植物である。
どこに生えているか?
それはトイレのそばの日陰に生えている植物である。
くさいトイレであればあるほどそこで採れたシナチクは旨いのだ。
どれ、このシナチクを食べてみよう。ん!旨い!これは大分くさいトイレから採れたようだなあ。

そう真面目に言うので
子供の私や姉は「キャー」「気持ち悪い」と言って食べない。
すると「ではお父さんがたべてやろう」と言って子どもからまんまと好きなメンマをまきあげるのである。
そういえば、お父さん!
得意の英語はすし屋では使わないほうがいいわよ。
最後のお勘定で「はうまっち」といおうものなら「ハマチ」がでてくるからね。
サンキューなどといおうものならかっぱ巻きが三つでてくるわよ。

英語ネタついでにこんな話を:
森元首相クリントン元大統領の間で交わされたという、滑稽な英語のやり取り

 森首相は、うろ覚えの英語で挨拶したが、"How are you?" (いかがですか
?)と言うべきところを、

"Who are you?"
(あんた誰?)

 とやってしまった。一瞬呆気にとられたクリントン大統領はすかさず

"I am Hillary Clinton's husband"
(ヒラリーの夫です)

と答えたという。
お〜。なんと機知に富んだ返答だろうか。