飛翔

日々の随想です

蓮(はちす)の歌


昼なお暗き塩入峠
峠を閉ざす雪憎し
あの人逢いたし
雪深し

赤い着物に
白の打掛け羽織り
はだける肩に
鼓持ち

謡う調べは
蓮(はちす)の歌か
出家(しゅっけ)の人に
馳せる恋

恋慕の情は
燃えさかり
雪を溶かして
僧の元

鐘にひそみて
契りしを
こぼれる萩は
忘れまじ