飛翔

日々の随想です

マフィンと植木屋

昨日は植木屋さんが今年初めての選定作業にやってきた。
 庭の大きくなりすぎたケヤキをどう剪定するか。いつも親方と頭をいためる。伐りすぎるとせっかくのケヤキがちじこまったポプラのようになってしまうし、伸び放題にすると隣の家にも大きな枝をひろげて森を作ってしまう。庭木にはふさわしくない木だが、我が家の父祖のような木なので大事にしてやらなければならない。
 やっとどう伐るかきまったところで、ほかの庭木の剪定にとりかかる。職人さん3人が汗を流す。
 植木屋さんにだすおやつがきらしてしまっている。あるのは冷蔵庫に黒くなりかけのバナナが一本あるだけ。
 黒くなりかけのバナナ一本だけで作るケーキと言えば!
 「バナナマフィン」だ。
 早速マフィン作りにとりかかる。
 できたのがレーズンとバナナが入った「バナナ・レーズン・マフィン」

 しっとりめのおいしいマフィンができた。
 これにおいしい珈琲をいれておだしすると寒い風にさらされた体があったまって会話が弾む。
 高いケヤキの上に若い衆が登って選定作業をする。一昨年、親方が登ってまっさかさまに落ちて、メガネをなくした。
 メガネは3年たった今でもみつからない。崖下の隣の家におちたのかもしれない。
 バナナが一本あるだけでもおいしいマフインができるのはありがたい。
 熱々の出来立てマフィンはおいしかった。珈琲通の親方が目を細めて珈琲を飲んだ。
 豆からひいた珈琲の香りがあたりをふくよかに流れていった。