飛翔

日々の随想です

 黒岩比佐子さんに捧ぐ




  玉響(たまゆら

君の心は金の糸
わが心の布に刺繍(さ)したれば
光さやけし秋の日に
錦となりてふりつもる
もみじの園生(そのお)竜田川
こがねまばゆい褥(しとね)となりて
一夜(ひとよ)の夢の枕辺(まくらべ)を
美(うま)し御国(みくに)に変えゆかん

君の心は銀の糸
わが心の布に刺繍(さ)したれば
白銀(しろがね)清き冬の日に
真珠となりてふりつもる
雪の沃野のわたぼうし
温(ぬ)くきも温くし蓋(おおい)となりて
一世(ひとよ)の命のたまゆら
わがこころの布に織りゆかん


あゝ黒岩に苔むせど
磐(いわお)となりて栄えあり
幾多の書(ふみ)は久しくも
読み永らえて継ぎゆかん

われ永久(とこしえ)に君を忘れじ


(by ろこ)