飛翔

日々の随想です

アフリカの舞姫

アフリカの舞姫
ここは地の果て最果ての
アフリカの北、モロッコのタンジー
カスバのモスクに夕日が落ちる頃
水タバコをくゆらす男達がたむろする
汗のすえたにおいの中を踊り子が舞い始める

タンバリンを打ちならし、足の鈴を踏みならし
豊かな胸を激しく揺すり、腰をくねらせ踊り狂う
ヴェールで覆った顔から妖しく光る目が男の心を虜にする
長い黒髪が蛇のようにからみつき、くねらす腰は波のよう
冷えた心に憂悶を抱いて、金貨の雨となってダナエを誘惑し
好色のユピータの情欲を舞い踊る

熟れ ただれ 妖艶に舞い狂う
ジブラルタルの海も空も炎と化して
真夏の日輪に咲く花のように

千と一夜の物語も語れない舞姫だけれど
たった一つの物語を心に深く抱く
愛する人とのたった一つの物語
足を踏みならし鈴をふり腰をくねらす
ヴェールにひそむ情念を舞う
たった一つの物語を炎となって舞う



今までの旅で一番エキゾテイックな国は北アフリカのモロッコだった。
その時のイメージで作ったのが上↑の詩だ。
まるでアラジンの魔法のランプにでてくるような国。
トルコをそのように思い描いていってみたけれど、イメージは見事に覆された。
ロッコは妖しげな国だ。
カスバは現地の人でも迷ってしまうほど入り組んでいる。
もう一度行ってみたい国、モロッコ

    サハラ砂漠を行くラクダのキャラバン