飛翔

日々の随想です

マキアヴェッリ語録

一記者の問いに「あなたとは違うんです」と言って辞任した元首相がいた。それを言いたかったのは記者のほうではないか! また、踏襲を「ふしゅう」と読んで演説した首相もいらっしゃった。さらに首相声明を何ページも飛ばして読んでもわからなかった人もいるかとおもったら、途中で「僕ちゃん、や〜めた」と突然おやめになった方もいた。この国の首相は母国語も読めないわ、激務には耐えられないわ、自分の演説もろくろく中身を知らないで読む人がいるわで、すごい!
 そこで次期総裁候補には是非読んでいただきたい本を紹介しようと思う。もっとも日本語をお読みになれるという前提である。

マキアヴェッリ語録

マキアヴェッリ語録

 時代を超える指導者論。
 マキャヴェッリの思想の抜粋。政治とは永田町界隈で繰り広げられるものでなく、持てる力をいかにすれば公正に、かつまた効率よく活用できるかの「技」ではないかと塩野氏は語る。
 本書は現代にも通じるマキャヴェッリ思想の真髄の抜粋から論をひもといていく箴言集。
「天国へ行く最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」
「必要に迫られた際に大胆で果敢であることは、思慮に富むことと同じと言ってよい」など。また混迷の続く中東を思うとき、次の言葉が示唆に富んでいると思った。
 指導者ならば誰でも、次のことは心しておかなければならない。それは
『個人でも国家でも同じだが、相手を絶望と怒りにかりたてるほど痛めつけてはならないということだ。』
「徹底的に痛めつけられたと感じた者は、もはや他に道なしという想いで、やみくもな反撃や復讐に出るものだからである。

ーー『政策論』ーー
古くて新しい「マキャヴェッリ語録」。
現実を直視した組織のリーダーにとって必要な「知恵」が本書にあると言ってよいと思う。