飛翔

日々の随想です

水遣りにみる人生訓



 毎日草木に水やりする。小一時間ばかり費やす。面倒といえば面倒であるけれど、花を終えた花がらを摘んで次の花に交代させるのを楽しみにする。水をやるととたんにしおれていた花がしゃんとするからすごい。
 花も実もならないうちに辞任した人がいる。政治は人柄が良く、家柄が良いだけではだめなようだ。そう思いながら水やりをしていると、隣の家の奥さんが近寄ってきてこう言った。
 「あのね。花木はあまり可愛がりすぎてはだめなんだって」
 「水遣り、肥料をやりすぎると、いたずらにひょろりとしたり、葉が茂りすぎたりして肝心の花が咲かないっていうわよ」「適当にいじめるとこれでは生きてはいけないと根をはって丈夫になるのだそうよ」と。
 「わ〜。哲学的と言うか人生訓のようですね」 
 と私が言うと隣の奥さんはにこりと笑って帰っていった。