飛翔

日々の随想です

古本屋を怒らせる方法.

今日は古本屋さんが書いた本ばかり三冊手に入れた。
先ずは大御所。
ミスター神保町なる八木福次郎が書いた『古本薀蓄』八木福次郎平凡社)、『古本屋を怒らせる方法』林哲夫白水社)、『女子の古本屋』岡崎武志筑摩書房

『古本屋を怒らせる方法』林哲夫の本から読み始めた。
先ずタイトル自体からして食指が動く。

『古本屋を怒らせる方法』と誰もが「どれどれ」と手にとりたくなるようなタイトルにしたところがもうこの本は売れることを確約しているようなもの、にくい作者である。

中身はといえば、文字通り古本屋が嫌がる客について。未整理の本を触る、買った本を返品する客、ほかに岡崎武志の本から引いた「大きな荷物は帳簿にあずける、ショルダーバッは肩からはず」などなど。
こんなことはほんの常識。
古本祭りや古本市でめぼしいものをみつける様子や古本屋なかまとの会話が絶妙に面白い。
しかしながらこの道は狐も狸もいるようだ。

(古本で遊ぶ方法)(古本と出会う方法)(古本を読み解く方法)と章立てして面白く読みすすむことができた。
しかし何と言っても作者の博覧強記振りには恐れ入る。
さすがに美大出身だけに「画家と画商の間」の章では日本ではあまりしられていないピーター・ブルームの画集を古本祭りで買った話は聞きどころ。読みどころ。
楽しく読んでいるうちこの中に出てくる数冊を探しに古本屋へ走って行きたくなって困った。
古本好きにはたまらない本。