飛翔

日々の随想です

2011-12-09から1日間の記事一覧

良き妻がいるらしき匂い

電車に乗ると、前の席にいる人たちの顔や風体を観察するのがくせになった。 松村由利子さんの歌に含蓄深く面白い歌がある: よき妻がいるらしき匂い芬々(ふんぷん)と黒光りする靴の男ら (第一歌集『薄荷色の朝に』短歌研究社より) この歌では黒光りする靴…

雪と笠と言葉

雪のニュースが舞っている。 中国の詩人玉屑(ぎょくせつ)の詩の一節に「笠重呉天雪 鞋香楚地花」(笠ハ重シ呉天ノ雪 鞋ハ香シ楚地ノ花)=(かさはおもしごてんのゆき くつはかんばしそちのはな)というのがある。 「呉天」とは「呉国の空」で、「(都から)遠い…