飛翔

日々の随想です

「遠き鯨影」


南極海での日本の調査捕鯨国際法に違反するとして、オーストラリアが即時中止を求めて起こした訴訟の判決が31日、オランダの国際司法裁判所(ICJ)であった。
ペテル・トムカ裁判所長は、最大1035頭の枠で実施している現在の調査捕鯨は「科学目的のためとは言えない」として、中止を命じた。事実上、日本が全面敗訴した。
かつて石油に頼らない頃、燃料を鯨の油に負うた国は多かった。アメリカもそうであった.
そんなかつての歴史など忘れた人達にこんな歌を詠んだ人がいる。歌人松村由利子だ。
 ・鯨油求め日本海までやってきた米国捕鯨の歴史もありぬ
 ・海の牧者(シー・シェパード) 守らんとする傲岸を彼ら笑えば大波となる
 ・鯨類の群舞愛でつつ着々と進められたるカンガルー駆除
 ・アボリジニの女は祈るカンガルージャーキーを犬がひしと噛むとき
 ・角笛が遠く聞こえる食べもせぬキツネを狩っていた奴らだよ

(2008年『短歌研究』(6月号「遠き鯨影」より)

 捕鯨反対を訴えるオーストラリアは同じ哺乳類のカンガルーを平気で駆除しそのジャーキー肉を犬にあたえている現実。
 食肉にもしないキツネを狩って(殺して)楽しむイギリス貴族よ!この歌を読みたまえ!!!