飛翔

日々の随想です

つれづれと空ぞ見らるる


春の日はけだるく、もの憂(う)い。
かすむような、けぶるような空をみあげるとふとこの歌が口の端(は)にのぼる。

つれづれと空ぞ見らるる思ふ人天降(あまくだ)り来(こ)むものならなくに
和泉式部)(『玉葉和歌集』)

もの憂げに空をみやってしまう。想い人が空から降って来るわけでもないのに・・・

和泉式部が物思いに沈みながら空をみあげるようすが目に浮かぶ。
なんともけだるい春の日のなせるわざか。