飛翔

日々の随想です

友を誇りに思った日


友達といっても、全てを知っているわけではない。私のすべてを友達が知っているわけでもない。
 だからそんな友の新しい面を発見すると嬉しくなる。
 今日はそんな日だった。
 友達は忙しい日々の中、勉強もし、将来に向けて自分を磨こうと努力している人だ。穏やかで、おおらかで誠実な人でもある。
 その彼女とおしゃべりを楽しんでいるとき、ものすごく眠そうな様子をしているのに気がついた。
 「なんだかとっても眠そうね。睡眠不足?」
 と尋ねると、
 「そう。眠くてたまらないのよ。だって私、朝が早いから」
 と答えた。
 「早いって何時に起きるの?お子さんのお弁当作りとか、部活のために早起きなの?」
 と尋ねると彼女はこういった。
 「あら!言っていなかったっけ!私新聞配達しているのよ。だから毎朝4時には起きて配達に出かけているの」
 の答えに驚いた!
 「なんで?新聞配達するの?」
 
 彼女のご主人は朝はやく特定の仕事をこなさなければならないらしい。しかし、やらないでほかの人にその仕事を任せているとか。
 いくら言っても聞かないので、自分が身をもって朝早く起きて新聞配達でもすれば、夫も自分の早朝の仕事をいつかするようになるだろうと思った由。
 6年間も続けているというからその意志の強さに感動した。
 その効果は最近になって現れて、小学生の息子と夫が駅前をボランテイアで掃除しだしたそうだ。
 ガミガミ言う奥さんは多いけれど、身をもって自ら率先してやってみせる。人を動かすにはまずは自分が範を垂れるということ。
 世間の目もある中、そんなことはものともせず、6年間新聞配達し続けていることに深い感動を覚える。

 今まで知らなかった友の素晴らしい面を知って心から感動し、そんな人を友にできたことを誇りに思った一日だった。