飛翔

日々の随想です

一瞬を永遠にするもの


日本列島すっぽり寒気団に囲まれて雪化粧の地域が多い。
雪はすべてのものを覆いつくして白一色になる。そんな景色の中、山茶花の赤が雪の中からあらわれるとふと心が和む。

 こんな風景を見たことがあるだろうか。

  ながながと川一筋や雪の原(凡兆)
 
 一面に雪が降り積もっているのでどこもかしこも真っ白な世界だ。そんな中、一筋長く連なっている黒いものがある。それは川である。目の中に純白に一筋の黒い線が映像となって見えるようだ。

 言われてみれば、なるほどと思うが、これを俳句にするというのが俳人の筆のさえというもの。凡人は「あ!川だ」などと叫ぶだけ。一瞬を永遠にするのが感性というものだろう。