飛翔

日々の随想です

星と花


星と花

同じ「自然」のおん母の
御手にそだちし姉と妹(いも)
み空の花を星といひ
わが世の星を花といふ。

かれとこれとに隔たれど
にほひは同じ星と花
笑みと光を宵々に
替(か)はすもやさし花と星

されば曙(あけぼの)雲白く
御空の花のしぼむとき
見よ白露のひとしづく
わが世の星に涙あり。


(「天地有情」より土井晩翠)