飛翔

日々の随想です

鬼のかく乱

風邪がすっかり、こじれて、ぜんそくのような咳がとまらない。
 熱も38度以上となり、名古屋の耳鼻咽喉科へ行くことにした。
 「加藤耳鼻咽喉科」はオペラ歌手や、喉を使う人がよく行っている有名な医院だ。ボイストレーニングの権威でもある。
 午前の診療が終わる寸前に飛び込んだ。
 熱の高さを見て、先生は「これは私の手に負えない。呼吸器の専門病院へ行ってください」と言われ、紹介状を書いてもらった。 
 幸い、紹介状の先生は向かいのビルにある医院ばかりが集まっているドクターズビルのなかにある。
 問診を丁寧にされ、喉を見て、胸と背中のラッセルを聞き、次にレントゲンを撮ろうと言い出した。よほど重症なのかと不安になる。
 インフルエンザの予防接種はしてあるが、B型インフルエンザかもしれないとこの検査もした。二時間以上もかけてやっと診断されたのは、風邪の重症化したものだそうな。
 癌でもなく、肺炎でもなく、きれいですといわれてほっとした。
 ただ脈が速いのが気にかかりますといわれて、つい、「先生がハンサムなので脈が速くなったのでは?」
というと先生は、
 「あ、それはありえますね」とすまし顔。向かいに座っていた鬼瓦のような婦長さんがぷっとふきだした。
 先生もなかなかいうものだ。
 というわけで、かなりの重症の風邪なのでゆっくり休むことにする。薬局のその場で、薬を飲んだ。
 体中がだるくて、節々が痛く、咳がひどいのだから、その場で寝たいぐらい具合が悪かった。
 病院の外で車の中で夫が心配そうに待っていた。
 近くのすし屋でおいしい寿司を食べて帰ることにしたのだが、私は熱が高く、ほとんど残した。
 サヨリがおいしかった。サヨリの時期ももう終わり。今の時期が最高においしい。あとは卵を持っておいしくないそうだ。
 そのサヨリを食べてあなごを食べておしまい。
 あとは夫が二人前食べた。

 ここのところ寒暖の差がひどいうえ、三月だというのに、雪がふって風邪ひきが多い。
どちらさまも、お気を付けてくださいね。