飛翔

日々の随想です

ワダヤセイ

 昔、英国で音のつながり(子音で終わった単語の次に、母音で始まる単語がくると、語尾の子音と語頭の母音が連結されて発音される)を「リンキング」と習った。
このリンキングのパターンをいくつかマスターしたら「発音」「聴く」力が急に伸びた。
高校や中学ではこの「リンキング」は教えているのだろうか?
入試に「リスニング」が導入されているようだけれども、このリンキングのパターン、約束事のようなものを覚えたらきっとリスニング・コンプリヘンションは格段に伸びるだろうと私は思う。
※リンキングの笑い話に[ワダヤセイ]というのがあった。
What do you say?
何回聞いても[ワダヤセイ]。

私のはじめてのリンキングのショックは英国についたその日のこと。
お茶を飲むかどうかたずねられたときのこと。
「カパテイー」と何回も聞くのでうなずいて同じように「カパテイー」と言ったら一杯のお茶が出てきた。
a cup of teaのことだった。

アクセントでも失敗はやまほどあった。その一つ:
アメリカ人の友人に出身はどこかと尋ねたら、「カネカ」だという。
アメリカに果たして「カネカ」というところはあっただろうか?
何回聞いても「カネカ」だという。綴りを聞くとConnecticutだという。
な〜んだコネチカット州かと叫んだけれど、この日本語の発音で聞いたり話したりしても百年かかっても通じるわけがない。カタカナ英語の弊害だ。
つまり英語は平坦な膠着語の日本語と違って、抑揚のあるリズム、アクセントからなっているのでまったいらなカタカナ英語が染み付いているととんでもないことになる。
イギリスの地下鉄の切符売り場は自動になってきたけれど、そうでない場合はどうしたって英語を使うことになる。あたりまえだ。
またもや古い笑い話。
ある日本人が駅で「ウエスケンジントン一枚」と言うと通じない。
後ろには長い列ができた。、
もう何回となく「ウエスケンジントン一枚」といっているのに通じない。
しかたがないので「上杉謙信」と言ったら通じたと言う笑い話。
これもアクセントのなせるわざだろう。
英語の勉強にと短波ラジオVOA(Voice Of America)を聞いていたら、「ペリカン」「ペリカン」「ワッペン」「ワッペン」と言うではないか。
なんだろうとテープにとって聞き直すと、「ペリカン」と聞こえたのは「ペンタゴン」「のこと、「ワッペン」はWeapon(兵器)のことだった。

言語を習得するは地道な勉強と恥をたくさんかくことかもしれない。