ここの所原稿を書くのに追われ、考えを巡らせるのに、時間を取られた。
井上ひさしは一日に三十冊の本を読んだとか。いったいどうやったらそんな読書術があるのだろう。彼の読書は調べ物をするための読書が多いとか。したがってじっくり読むのではなく、必要なところをさぐってよむのだとか。そして最後に結論があるので、時には最後だけ読むのだとか。最後の結末が良いと、作者の技量のほどがわかる。わかったとことろで最初からじっくりよむのだとか。
また最後のページに自分流の索引をつくっておくのだとか。あとから読み返すとき、理解が早まる。井上流読書術である。
誰もが真似出る方法ではないが、読書の量がかさむと、井上ほどではないにしても、一冊の本の質が推し量れるようになる。
あ、これはダメだと読む端からわかる場合がある。肌合いが合うか、合わないかという類のものだ。
今日から原稿書きの手を休めてまた読書専心する。
夜はぐっと涼しくなってきたので読書するのには心地よい。静かさも夏の盛りよりも深まってきた感がする。
原稿を書いている間は頭から構想が離れないので、読書に身が入らない。これからは、しばらく読書の楽しみに耽ることができる。嬉しい。