お盆のお中日の今日、仏壇の父母にお線香をあげふるさとに想いを馳せた。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食(かたい)となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
(「抒情小曲集」より室生犀星)
父母が遺してくれたふるさとの土地を手放してしまった私にはもう本当に「ふるさと」はなくなってしまった。この室生犀星の詩を涙して朗詠するばかりだ。