愛知県武豊町で「はやぶさ」帰還カプセルが展示されているというので見に行った。
映画も上映されていて、これは人間の頭脳、特に日本人の技術力の素晴らしさに涙がでそうに感動した。地球から60億kmにもおよぶ彼方へ旅をした「はやぶさ」は7年かけて地球に戻ってきたのだから感動する。
「はやぶさ」の模型
これが宇宙のかなたに存在する小さな惑星「イトカワ」へ着陸し、表面のかけらを持ってきたカプセルだ。
日本で初めてロケット開発した糸川博士が作ったペンシルロケット。
2003年5月9日鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からロケットが打ち上げられた。M-Vロケットだ。その一番先頭に乗っていたのが小惑星探査機「はやぶさ」だ。「はやぶさ」は日本の科学者の夢を乗せて88万人の署名を乗せて宇宙へ出発した。
「はやぶさ」の役割というのは何だろう?それは「イトカワ」という小惑星に行って、表面を詳しく調べたり、イトカワのかけらを地球に持って帰ることにある。
では小惑星とはなんだろう?
それは惑星になり損ねた小さな星たちのことである。地球やほかの惑星と同じように、太陽の周りをまわっている。そのほとんどが火星と木星の軌道の間にあって今わかっているだけでも、45万個もある。イトカワもその一つだ。
惑星のかけらをとってくるというのは、太陽系がどうやってできたのか、惑星がどうやってできたのか、知るのに役立つ。
打ち上げからしばらくしておりたたまれていた太陽電池パネルは広がる。そしてエンジンに点火。いよいよイトカワにむけて長い旅のはじまりだ。
イトカワまではおよそ3億km。その長い旅をささえるのが「イオンエンジン」だ。
イオンエンジンは「イオン」を飛ばして進むエンジン。少ない燃料で長い時間使い続けることができるスーパーエンジンなのだ。すごいね!
地球を出発してもすぐにイトカワに向かうわけはない。まずは、一年間地球と一緒に太陽の周りを回るのだ。なぜでしょう?
それは地球スイングバイ」のため。
地球スイングバイとは、地球に手伝ってもらって、スピードアップする方法のことだ。一度きりのチャンス。失敗は許されない。
すべて地球からの指令だ。
2005年7月29日。スイングバイから1年2か月後、「はやぶさ」についているカメラはついにイトカワをとらえた。それから2か月後、「はやぶさ」はついにイトカワに到着。地球を出発してから2年4か月後のことだった。やった!
イトカワに到着した「はやぶさ」はいろいろな角度からイトカワを撮影。
しかし、「はやぶさ」は絶体絶命のピンチになった。それは宇宙で姿勢をコントロールするための装置が使えなくなってしまったのだ。残るたった一つの装置で着陸を決断。一回目は着陸失敗。オーマイゴッド!
ターゲットマーカーをイトカワの地面に落として、着陸の目印にする。カメラやレーザー高度計などを使ってイトカワまでの距離を測りながら近づいていく。弾丸を発射して舞い散ったかけらをサンプルコンテナに入れ、すばやく舞い上がる。あと少しで着陸というところでまたもや失敗。二度目のチャレンジで成功。
悲劇はまた起こった。
11月26日。燃料が漏れ、地球との交信が途絶えた。宇宙にさまよってしまった「はやぶさ」
次の日、奇跡は起きた。地球からの声が届いた。しかし、またもや悲劇は起きた。
燃料漏れのため姿勢が崩れて太陽電池パネルを太陽に向けることができなくなった。そのせいで電力がなくなってしまったのだ。広い宇宙で「はやぶさ」は行方不明になった。
地球のスタッフがあきらめかけていた一か月半後、2006年1月23日。奇跡は起きた。
モニターに反応があった。奇跡的に地球との交信ができるようになったのだ。やったー!
そして力を振り絞ってイオンエンジンを稼働させ地球に向けていざ、帰りなん!!!しかhし、また悲劇が。
イオンエンジンが次々と寿命が来た。地球へは二度と帰れない。
しかし、科学者の一人がこっそりと秘密の回路をつけていたのだ。この秘密の回路のおかげで正常なもの同士を組み合わせて地球へ帰ることができた。
打ち上げてから7年。60億kmの旅は終わった。カプセルは無事オーストラリアに落下。
カプセルからはイトカワの微粒子が見つかった。
科学関係の展示物や映画を見て涙が出るほど感動したのは生まれて初めての経験だった。
日本人の頭脳の素晴らしさ、技術力の素晴らしさに感動だ。
世界で初めて小惑星に着陸し、地表の微粒子を持ち帰り、7年もかけ、何回も宇宙のもくずになりかけながらも、無事地球に帰還したその力に心底感動した。
この頭脳と英知と技術力をもってすれば、原発など恐ろしいものでなく、ほかのエネルギーを開発することなどわけもない。
日本人の頭脳と技術力の底力は、地球を救う!そう信じるものをこの「はやぶさ」は物語ってくれた。
「はやぶさ」よ、君は偉い!すごい!