飛翔

日々の随想です

NZ大地震

ニュージーランドで大地震があった。日本人留学生や現地の人たちに多数の死傷者がでているもよう。日本の救援隊の精鋭が現地に向かっている。
 ニュージーランドには、かつて我が家で英会話を教えていたニュージーランド人の教師がいる。奥さんは日本人。連絡は今のところ取れていない。
 数年前、ひょんなことで、我が家で英会話教室を始めることになった。それは日本にいるニュージーランド人のたっての要望ではじめたことだった。生まれて初めて外国人と契約書を作って教室を始めた。チラシ作りをして、新聞に折り込み広告をいれた。こんな田舎で英会話を習う人がいるのかと危ぶんだが、意外なことにたくさんの人がやってきた。主婦や会社員、工員、定年退職した人などであった。
 先ず、クラス分けをして、教える内容を教師と検討し、カリキュラムを作った。英語ができる現地人と言っても、教えることと母国語を話せることとは別の次元である。日本人が日本語を話せるからと言って効率よく、正しく外国人に日本語を教えることができるとは限らないのと同じだ。
 おかげでさびついた英語を使いながら外国人講師と話している間に、自分の英語までブラッシュアップするようになった。最初の頃は、講師の指導力のチェックと生徒の理解度を見極めるために教室の最後尾で授業を参観したりした。
 そんな関係でニュージーランド人の講師が次々と増え、生徒も増えてきた。そしてとうとう、我が教室からニュージーランドに留学生を送り出すまでにいたったのである。ニュージーランドには現地人スタッフが待機していて世話をするというシステムまで作った。
 本当にひょんなきっかけからの教室運営だったのだから人とのかかわりとは摩訶不思議なものだ。
 教室は栄えたが、私が健康を害したことをきっかけに、教室は閉鎖した。外国人講師は大学で、教えている人でもあったが、教室は閉じることになった。クリスマスや季節ごとの行事を生徒や講師を交えて楽しかった日々は過去のものとなった。
 ニュージーランドと私はそんな風にきってもきれない深いかかわりのある国となったのであるから、今回の大地震は人事でない。かつての講師の妻は日本人で、当地の人であるから、ご家族は心配で眠れぬ日々を過ごしている。
 困ったときはお互い様。救援物資を送りたいが、まだ混乱している状態で状況をつかめない。
 早い救助をと望むものだ。死傷者が少ないことを祈ろう。