飛翔

日々の随想です

86歳舌がん乗り越えコンサート

昨年1月、舌がんの手術をした三重県伊賀市上野農人町の声楽家、前川圓(えん)さん(86)が16日、手術後初となるコンサートの舞台に立った。舌の4分の3を切除し「もう音楽は無理」とあきらめていたが、大好きな歌を歌うために勇気を奮い立たせて現役復帰。「生きることに感謝して歌いたい」と話している。(中日新聞より)。

前川さんは30年間、同市内の小中学校で音楽教諭を務め、自ら結成した女声合唱団「コーラスまどか」で指導者として活躍した。2008年12月、舌がんが見つかった。医師から「声が残るか、食事が食べられるか、どちらかになるかもしれない」と告げられ、ふさぎ込んだ。

 09年1月、名古屋市の愛知県がんセンターで舌の4分の3を切り、腹筋を移植する8時間半の大手術をした。2週間後の発声テストで「あっ、あっ」と声が出た。「喜びとともに生きる勇気がわいてきた」。食事も流動食を食べられるまで回復し、周囲を驚かせた。
舌が自由に動かないため、ラ行は出ない。いったんは人前で歌うことをあきらめたが、教え子の励ましもあり、年明けから自宅で練習を始めた。伸びやかで張りのあるソプラノを歌う体力を取り戻すため毎日5000歩を歩き、「もう一度感情を込めて歌いたい」と自らを奮い立たせた。

なんとすごい人がいるのだろう!舌の4分の3を切った歌手の復帰である。しかも86歳のお年。あきらめず、めげずに命の限りに努力する人にふれ伏す思いだ。

 前川さんは手術で舌の4分の3を切除したとは思えない美声で「からたちの花」などを歌い上げた。前川さんは「緊張したけれど楽しかった。90歳のコンサートをめざして歌い続けたい」と語った。

 前川さんは「死ぬかも、声が出なくなるかも、という“どん底”を体験し、今は生きて歌える幸せを実感しています」と話し、「人生、一寸先は光。その日その日を輝いて生きていきたい。みなさんも健康第一で過ごして下さい」と呼びかけたという。

なんと素晴らしいのだろう!大いなる勇気と希望をいただけた!
命の限り、努力をおこたらないでいよう!