- 作者: 藤原咲子
- 出版社/メーカー: 山と渓谷社
- 発売日: 2005/05/25
- メディア: 単行本
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子供の頃から娘咲子に文章指導をしていた新田次郎。
何かと娘に自信をもたせようと、ほめて指導する新田次郎には、溢れんばかりの娘への愛に満ちる父の姿がありました。
その文章指導の言葉は一冊の文章指導教本よりもすごいもの。
その部分を引いて見ましょう:
感動だけで書いてはダメ。感動から出発してそれを整理し、次に糸くずまで捨てるぐらいの気持ちで思い切り削る・・・。最後に、そのなかから絹糸一本だけを引き抜くのだよ。すると研ぎ澄まされた何かが見えてくる。何を書くのかが見えてくる・・・
どうでしょう!
「絹糸一本だけ引き抜く」とは!
直木賞を受賞した新田次郎は昼間は気象庁技官として、夜は月100枚の原稿を書く流行作家でした。
しかし、『「書けない、書けない」』と苦悶する姿もあったのでした。
その父が娘に授ける文章指導の言葉。
文を書く厳しさに打たれた言葉でした。