飛翔

日々の随想です

「よめが君」


お正月らしい一句を紹介しよう。

・明くる夜のほのかに嬉しよめが君(其角)

※「よめが君」とは、鼠(ねずみ)の異名。俳句の季題で新年にかぎっていう。
 つまり正月三が日は縁起をかついで忌み言葉(鼠)をきらって鼠を「よめが君」としたもの。正月と云うのはものみな静かで、ねずみが出てきてもめでたい気分になる。そんな句ですね。
それにしても日本語と云うのは何と素晴らしいのでしょう!
  そういえば、東北地方ではネズミのことを「上の姉様」とよぶそうな。
 昔はコンクリート生活でなかったのでネズミが家の中のどこかにひそんでいてそれこそ生活を人間と共にすごしてきた「お仲間」いや、「家族」でさえあったのでしょうかねえ。人情ってものが動物にまで及んでいた善き時代があったのです。