飛翔

日々の随想です

台所に感謝して


クリスマスのご馳走とケーキを食べ過ぎて胃が痛い。
 今胃痛を病んでみると子供のころの母のおかゆが思い出されます。
 一人分のおかゆをことことと煮ている母が病床の私のところへやってくる。
 おかゆは卵がまぜられていて美しい黄色の真ん中に梅干が埋められている。
 一口づつすずめの子のように母が口に運んでくれるおかゆはおいしくて、母を独り占めできる幸せにこのまま病気が治らなくてもいいなどと思ったものだ。
 母のあの細やかな隅々まで心配りが行き届いた家事や立ち居振る舞い、夫や子供たちへの愛に満ちた日々は台所から生まれ積み重ねられてきたものだとしみじみ思う。年末のせわしない今、台所に感謝しながら綺麗に磨いて一年を終えたいとおもう。