2012年の大つごもりの今日。天気快晴。
○今年は野田佳彦首相が解散時期を「近いうち」と明言するも、なかなか解散せず、今度は越年かと思えば、年末になって総選挙となった。マニフェストを何一つ守らず、守ったのは消費税の値上げだけ。こうしたことへの強い政治不信と批判で国民が選んだのは自民党。
○景気が低迷し、政治不信でイライラする中、 山中伸弥・京都大学教授のノーベル生理学・医学賞受賞があり、難病患者や、医学の飛躍的進歩につながるものとして国民全員が笑顔になったことは忘れらない。
○竹島問題・尖閣諸島の問題がおこり、中韓の関係が微妙になったことは、なにやらきな臭く憂うものだ。
○一方、喜ばしいニュースはロンドン五輪で日本勢が活躍、メダル獲得数が史上最多だったこと。そこで今年を表す漢字は「金」となった。
○空を見上げて嘆くニュースが多かったが、首が痛くなるほど高いタワー「東京スカイツリー」がオープンして、空を見上げて笑顔になる人が増えたことは嬉しい。
○新しい政権になって、東日本大震災の被災地の復興を完遂してほしいと願うばかりだ。憲法改正が言い出されるようになったが、国民の幸福権が守られない被災地の皆さんのことがまずは先決である。
「幸福権」といったが、なにも大げさなものではない。身の回りのささやかなところに幸はある。
江戸時代末期の歌人に橘曙覧(たちばなのあけみという人がいる。
独楽吟(どくらくぎん)と題した連作歌の中で、
・たのしみは 妻子(めこ)むつまじくうちつどい頭(かしら)ならべて物をくふ時
・たのしみは 朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲けるを見る時
・たのしみは 家内(やない)五人(いつたり)五(いつ)たりが風邪だにひかでありあへる時
・たのしみは 心をおかぬ友だちと笑ひかたりて腹をよるとき
などと52首が並ぶ。
江戸時代末期の歌人の歌にこんなになごやかで心ほどける歌があったのかと驚くとともに嬉しく共感するのである。
親子五人食卓を囲んでものを食べていられることって本当に嬉しくて楽しくて幸せだ!
そんな感情はだれもが持っている喜びである。
そんな嬉しいこと、幸せなことなのに、人はさほど幸せだと感動しない。
しかし、昨今のように不況の嵐や、天変地異が起きると、日常の喜びや幸せがどんなに大切なものだったかを思い知るのだ。
生きとし生けるもの。そのささやかな営みの中に多くの楽しさがあり、笑みがあり、命あることの喜びが詰まっていることをみつけたい。
来るべき2013年はそうしたことを念頭に慎ましくも和やかな一年であってほしいと切に思う。
このブログをご訪問くださった皆々様、今年はありがとうございました。
来年は皆様にとって幸多く健やかな年でありますよう祈念いたします。
ブログ「読書百篇」ろこ 拝