飛翔

日々の随想です

心の豊かさ


 新聞紙面ではどんな風に殺人が行われどんな風に不正が行われ、どんな風に人をだましたか。
そんなおぞましいニュースばかりが報道され続けている。
 国連の場では、「分化度」の低さを露呈するかのように、相手国を「盗っ人」呼ばわりして、国家の品格の低さを見せつけている国もある。
 同じように「分化度」を低くしてしまっては「家族投射過程」と心理学で呼ばれる「分化度の低さ」の連鎖をよんでしまう。

※心理学で、家族療法「ボーエン理論」というのがあります。
 ボーエン理論
ボーエン理論では家族間の相互作用について、「自己分化」という言葉をつかっています。
 つまり「自己分化」というのは、心には、二つの機能があるとされ、理性(理性機能)と感情(情緒機能)が分かれて機能しているか、あるいは、それらが混ざっている(融合している)かというわけです。
 つまり、簡単に言うと、感情的か、理性的か、あるいは混ざり合っているかの度合いをいいます。
 人は、同程度の自己分化度の人と結びつきやすく、夫婦は互いに同程度の自己分化度になりやすいとされています。
 その子が成長すると、また自分と同程度の自己分化度の人と結婚し、さらに低い自己分化度のこどもを育てることが考えられます。
 親世代の分化度が子供世代に伝達されていくことを「家族投射過程」といいます。


そんな中、一冊の本と美しい花に心が潤された。

一冊の本、それは『語りかける花』染色の人間国宝 志村ふくみさんの著書である。

語りかける花 (ちくま文庫)
志村 ふくみ
筑摩書房

 人が人の心に注ぐ魂の一滴の深さ篤さに揺さぶられた。
 自分の一生の長さがどれぐらいなのか分からないけれど、美しくけだかいものに触れる機会がどれだけあるか、それが自分の人生の豊かさを決めるものになる。
 極上の音楽と極上の文、一輪の花に出逢えた日などはふと心に灯りがともる。
 
 あの3月11日の東日本大震災の被災地にはまだ仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされ、自宅に帰れない人たちが多い。
 その被災地、石巻でお花による心の潤いと癒しの活動を続けている人・メンバーががいる。
 それは花セラピーの創始者であり、(財)国際花と緑のセラピー協議会理事長の青山克子さんと花セラピストたちである。


石巻花セラピー教室実施報告←ここをクリックしてじっくり見てくださいね。

 花の力は被災者の心を癒し、力づけて、あすへとつなげてくれることをこの活動レポートで私たちに実感させてくれた。

  言葉は心のまんなかから出るとき初めて言霊がやどるのではなかろうか。
心のまんなかを如何に豊にするか。それがその人の豊かさに繋がり、言葉を発するとき、まあるく、広いやさしさが辺りを満たしていくのだろう。
温かないっぱいのスープが凍えた体と心を温めてくれるように、一編の詩が数行の言葉が、美しい花たちが、明日へと繋げてくれ、心に灯りをともしてくれる。