飛翔

日々の随想です

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョイスを読む

ジョイスを読む ―二十世紀最大の言葉の魔術師 (集英社新書)作者: 結城英雄出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/05/14メディア: 新書購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (9件) を見る6月16日はアイルランドでは「ブルーム デー」なる祝祭が行…

蚊友

蚊という生き物はどうみても愛おしいとは思えない。 刺さなければ、 「なりふりの小さきものにもまことの美あり」 などと文学的に書けそうである。 「蚊」は文学する生き物なのだ。 なぜならやたらに文、文、文とやかましいからである。 それに蚊と云う字は…

日本てぬぐいの魅力

美しい日本手ぬぐいを買ってきた。 この季節にぴったりな「アジサイにかつむり」 粋な蛇の目傘の日本手ぬぐい いつもは「いせ辰」の染物が出ると買う。粋でいなせな日本手ぬぐいはいつみても惚れ惚れとする。 まめしぼりはきりりと頭にまかないといけない。…

ヤノマミ

ヤノマミ作者: 国分拓出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2010/03/20メディア: 単行本購入: 19人 クリック: 244回この商品を含むブログ (48件) を見る タイトルの「ヤノマミ」とは、ブラジルとベネズエラにまたがる深い森に生きる先住民の部族の名前であり、「…

一筆啓上仕り候

朝起きて窓を開ける瞬間がとても好きだ。胸いっぱいに新鮮な空気を吸うと朝の始まりを感じる。 庭に目をやると、木の枝に刺してあるリンゴやオレンジを、小鳥がついばんでいるのが見える。 春になると、目白が椿や、レンギョウの甘い蜜を吸いに飛んでくる。…

わたしを離さないで

英国の作家であるカズオ・イシグロはめったにテレビ出演や写真撮影をしない人である。しかし、母国である日本で『わたしを離さないで』が映画上映されるというので、珍しく宣伝をかねてインタビュー番組に出てきた。彼の作品に通奏低音として流れるのは「メ…

ボサノバ

開放的なあかるい季節にはアントニオ・カルロス・ジョビンのアルバムを聴くにかぎる。 夏はなぜかボサノバがいい。Antonio BrasileroSony InternationalAntonio Carlos Jobimこのアイテムの詳細を見る いつも行く美容院のBGMは私好みの曲が多く嬉しくなる…

言葉の箸休め

最近オフィス界隈では「ランチ合コン」がはやっているそうな。 忙しいOL諸姉たちはランチタイムを利用してちゃっかり合コンして、いいひとを見つけようと云う算段らしい。 ところで「ランチ」は英語ですよね。では「デザート」は何語でしょうか?

鳩ぽっぽと「サギ」の茶番劇

もうつくづく日本が嫌になった。わが国の総理大臣のあまりにも国民をあざむく「あとだしじゃんけん」ぶりに。そして鳩ぽっぽのあまりにも幼稚な詰めの甘さに。 鳩が管という「サギ」にあざむかれた。「俺、俺サギ」というのがあったが、「一定のじきがきたら…

Somethin' Else

サムシン・エルス 1キャノンボール・アダレイ,マイルス・デイヴィス,ハンク・ジョーンズ,サム・ジョーンズ,アート・ブレイキーEMIミュージック・ジャパンこのアイテムの詳細を見る世の中笑い飛ばして過ごしたいものだが、なかなかそう仙人のようにはいかない…

六月の花

わが家には「百合の花」が数種類咲いている。家の中にも大輪の「鉄砲百合」が一年中咲いている。 「かりん」の花 「ミント」の間に咲くチェリーセージの赤い花と「昼顔」 窓をあけるとむせかえるように甘い「クチナシ」の花の香りがする。 もう少しすると植…

能『芭蕉』

能の演目で「芭蕉」というのがある。金春禅竹作といわれている作品である。芭蕉は俳人の芭蕉でなく、芭蕉とよばれる植物のことである。 芭蕉は中年の女性の姿で現され、荒涼とした晩秋の影物の描写によってひえさびた情緒をたたえている作品だ。 女性[松風]…

晴耕雨読の水無月

今日から六月。六月は陰暦六月の雅語として「水無月」と呼ばれる。六月は雨がよく降る月であり、水が無いの反対である。「水無月」の「無」は「無い」ではなく、「の」にあたる連体助詞「な」のこと。つまり「水の月」という意味。 梅雨入りして連日雨に閉じ…