昼なお暗き塩入峠 峠を閉ざす雪憎し あの人逢いたし 雪深し赤い着物に 白の打掛け羽織り はだける肩に 鼓持ち謡う調べは 蓮(はちす)の歌か 出家(しゅっけ)の人に 馳せる恋恋慕の情は 燃えさかり 雪を溶かして 僧の元鐘にひそみて 契りしを こぼれる萩は …
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